PICK UP ARTIST #002"Earls Court"

UKロックの進化系、Earls Court(アールズコート)が昨年9月に前作から実に4年ぶりとなる4枚目のmini album「Do! Darling! Do!」を全国リリース。‪2/18(日)にはCLUB251でのツアーファイナルの開催が待たれている。今までのイメージを一新する作品となった今作について、またツアーファイナルへの意気込み等を聞いてみました。

「Earls Courtと言ったらこうだよね」って言い易いアルバムを意識して作りました。

・まず『Do! Darling! Do!』のコンセプトについてお聞きしたいと思います。
喜田:今までのEarls Courtには泥臭いロックもあればポップな曲もあれば踊れる曲もあって、自分達の本質って何だろうって話し合った結果一番最後に残ったのがポジティブな部分だったんです。そういう所に焦点を当てて今回は作りました。
mai:ワードとして「金太郎飴」っていうのがあったんだよね。
喜田:アルバムのどこを切っても金太郎が出てくるというかそういうのに憧れもあったし、「Earls Courtと言ったらこうだよね」って言い易いアルバムを意識して作りました。

・過去の作品もポジティブな要素は当然あったと思うんですよね。
喜田:今までのどのアルバムも顔となる曲が比較的ロックな曲でアルバム通してそういうイメージになるので、今回は違う印象を与えるんじゃないかなと思います。

・作詞作曲は喜田さんがされてアレンジはいつもどのように進めてるのでしょうか?
mai:基本的には喜田さんがデモで全部だったりパーツだったりを持ってきてそれを皆でスタジオでもみもみみたいな形が一番多いですね。
喜田:自分の中で、ある程度楽曲のイメージができた所で皆に投げるんです。伝わらない部分は僕のイメージに近くなるようにやってくれるので任せたり話し合ったり。

・楽曲によって時間のかかり方は違いますか?
喜田:一番早かったのは「Hard to breathe」ですね。
mai:「Do.Da.Di.」はアレンジに時間かかったよね。ライブでやり始めたのは割と早くて251とかでもレコーディング前にやり始めて、実は高塚さんに色々アドバイスをもらってる。
喜田:「‪Sunday morning flight」はネタ自体はEarls Courtができる前からあって今なら出来るってなりました。これも完成は早かった。
mai:今までのアルバムに居場所がなかったっていうのもある。今回スタメンになりました。

・ライブでの表現で意識している事はありますか?
野木:同期を流すのが新しい試みでした。ギターは音源をそのまま再現するようにしています。
喜田:再現しつつちゃんとダイナミズムがあるように気を付けています。楽曲自体は聞いてもらえればちゃんと伝わるように作ってあるんで、ライブだろうが音源だろうが一番偉い人は楽曲だと思ってる。
mai:楽曲があるから大丈夫っていうのはいつも思います。
桜井:僕は昔からあんまり変わらないんですけど楽しく見てもらえるにはどうしたらいいか考えながら動いてます。クオリティーを下げずにかつ楽しく見てもらいたい。
小濱:プレイヤーであると同時にリスナーでいることがとても好きなので、そういう意味で言うとお客さんと一番近い距離に自分は居ると思ってるし、居られるようになりたいとはずっと思ってる。

・「Do.Da.DI.」のMVも拝見しましたが、楽曲をどう表現しようと撮影に挑んだのでしょうか?
mai:今までの楽曲と違うから演奏シーンを撮らないようにしようって言う所から始まったんだよね。
喜田:クールな部分を捨て去って、可愛かったりわちゃわちゃしたり極限までバカになれるようなのを作りたかった。その時にコスプレが上がったんだよね。
mai:ツアーバンドが寝て起きてご飯食べて歯磨きして、夜になったらコスプレパーティーする(笑)。最後にライブハウスに行くんですけどそのシーンを251の前で撮らせてもらって。
喜田:僕たちの作る音楽が新進気鋭のものと言うよりは、今までの音楽の中にあるものだって言うのはこだわりたい部分でもあるから、そう言うものがアーティストのコスプレと言う表現の中に入っています。

・撮影にはどれくらい時間がかかりましたか?
桜井:夜中から始めて翌日の昼過ぎ位までかな。
小濱:夜明けのシーンを撮りたくて九十九里に行って、一番きつい時間でテンション上がってたよね。
mai:テンション上がってるんだけど早回しの映像になるからすごく動きがゆっくりだったよね。そのままの映像を見たらゾンビが海辺をこう…(笑)。

・一番早くできたと言う「Hard to breathe」の歌詞について「君」と「僕」はそれぞれどんな人物なんでしょうか?
喜田:僕が好きな「(500)日のサマー」って言う映画があって、主人公と恋する女の子に関係が近いように、後は自分の追体験を織り交ぜて書いた感じになるんですけど、女の子の方が強いんですよ、要は。‪何だろう…、振られる美学みたいな。‬
mai:自分で決着つけられないの?
喜田:それじゃつまらない、振られることによって物語は大きくなる。だから最高で最低なエンディングが欲しい。そのためには振られなきゃいけない。
mai:自分勝手だな(笑)。
喜田:でもわがままなのは女の子、それが男ができる唯一のわがまま。
野木:実話?
喜田:「(500)日のサマー」。実体験してみたい(笑)。

・苦しんでる様子を書いてるけど、曲はすごく爽やかですよね。それは意図して?
mai:どういう歌詞が乗ってもそんなにヘビーにはならないだろうって言うサウンドには今回どの曲もしてあります。そこのギャップも1番出せるかなと思うし。今回の楽曲って今までの喜田さんから出てこなかった言葉が多いなと思って。
喜田:今回一対一の関係を大事にして、「僕とあなた」「彼女と彼」なのかもしれないですけど、そうすることで物事を見えやすくしている。そうなると今まで無かった言葉みたいなのも多く含まれるのかな。
mai:情景が浮かびやすくなったと思う。私上から目線だな(笑)。
喜田:歌詞に関してはリスナー目線だからね(笑)。‪

・「Give you all of me」では自分の全てを捧げるから好きにしていいよ、とドMな人物が出て来ますが(笑)、それを甘酸っぱい印象のメロでサラッと歌っていますよね?
‬mai:今まで喜田さんが言わなかった言葉っていうのがGive you~に一番入ってて。「kill」って言う言葉はあんまり喜田さんから出てくる言葉ではなかったなって。
喜田:僕くるりが好きなんですけど、明るい楽曲には地獄みたいな歌詞を、暗い楽曲には明るい歌詞を。哲学も好きでアウフヘーベンて真逆の物を合わせる事によってもう一段階上質な物に仕上げられるって言う考えにすごく近い。今回Give you~がすごく馬鹿っぽい曲で、ここには「kill」が合うなと思って。
mai:ハッピーな曲にハッピーな歌詞を載せてしまったらただのハッピーになってしまうって言う。喜田:「アイラブユー」じゃダメなの。「Hard to breathe」と同じような、好きすぎて相思相愛では無いから、だったらあなたに殺されたら素敵って。
mai:Can you kll me?の後に、It's so niceって言ってるのね。あれがすごく好き。あと、こういう歌詞なんだなって思ってた解釈がライブをやる度にお客さんに対して「Give you all of me」だなぁに変わって来て。こんなに私あなた達のこと好きなんだから聞いてよ!みたいな(笑)。
喜田:鬱陶しい(笑)。
mai:レコーディングしてる時に録ったやつをそのまま残して欲しいのがあって。「お願いだから」って言うフレーズのお願いだから感がすごくて。頼むからそこだけは直さないでくれっていうのはすごい頼んだ。

・ニュアンスが一番表現出来てたんですね。
喜田:maimaiさんそういうの多いですよね。
野木:ジャッジが早い。
mai:歌に関しては好きか嫌いか。でも喜田さんきっとうざいよね(笑)。‪
喜田:エンジニアさんとやり取りしながらやってると途中で急に「さっきのが良い、さっきの方が絶対良い!」って。‬
mai:初めて全員でコーラス録ったよね。
喜田:野木のニュアンスが凄い独特なんですよ。風呂に入りながら「与作~♪」みたいな(笑)。

・「Just one day」の最後のメロディーで急に「和」の雰囲気が出てきますよね?
mai:英詞から急に日本語が出てくるから単純に和の雰囲気になるっていうのもあると思うんですけど、あのメロディーを聞いたときに渡辺はま子さんの「サンフランシスコのチャイナタウン」が出てきて結構チャイナなイメージ。
野木:ペンタトニックしか使ってないからじゃないかな。
小濱:作曲者としての喜田康二郎のすごく好きな部分。オリエンタルって言うか。
喜田:ペンタトニックの信者なんで。日本人の一番古い音階だって言われてて、アイルランド民謡とかと同じ音階なんですよ。そこだけ唯一違うメロディーを持ってくるって決めてたんでそこは信仰通りに作りました。

・聞いてて気持ちが良かったです。「ベルリンの壁」と言う言葉も気になったのですがこれは何を表しているのでしょう?
喜田:正にベルリンの壁の事です。David Bowieがすごい好きで、ベルリンライブの事です。ベルリンの壁の淵でライブをやって東側のチケットを買ってないお客さんはベルリンの壁に寄ってライブを聞く。でも統制が厳しくて東側の人は結構従順なイメージだったらしいんですよ。でもその時だけは民衆が声を上げて反発してライブに臨んだって言う。David Bowieはそれに応えた。彼が亡くなった時にドイツ政府が東西の統一に助力してくれてありがとうとツイッターの公式アカウントで声明を出したんです。それをDavid Bowie展に行った時に見て泣いて。あんなおじさんになりたい。

・「Alone」の楽曲の成り立ちも聞きたいなと思います。全曲の中で一番ロック色が強い印象がありました。
喜田:やりたいものが初めからあって迷った記憶があんまりない。
野木:ギターのアレンジは結構時間かけました。
喜田:構成自体はすごいシンプル。
桜井:今回どの曲も削る作業を考えることが多かった。「まだ減らせるよね」って。金太郎飴の時にずっとサビみたいなメロもいいよねって話してたんで。

もちろんプレッシャーもあるし勝ちに行きたいって言う気持ちもある。

・ツアー中のエピソードなどお聞かせいただけたらと。
野木:地方に行く前日に牡蠣を食べたんですけど猛烈な腹痛に襲われて(笑)。
mai:秋田の運転もしびれたよね。
野木:大雪降ってたんですよ。我々はノーマルタイヤで挑みまして。
小濱:野木からあのデシベルの声を初めて聞いた。寝ちゃいけないと思って大音量でメタリカをかけてたんですよ。彼が何か言ってるんですけど何を言ってるのか全然わかんなくて「え?」みたいな(笑)。

・251でのエピソードなどあればお聞かせ下さい。
mai:一年位前に店長にリリースとワンマンの話を相談したり打ち合わせをしたりしてて。ファイナルは2月でツアー自体は5カ月位なんだけど、バンドにとっては一年間の総括みたいな感じはある。一年通して251にはお世話になった。
野木:最初のアルバムも251のレーベルから出してるしね。バンドのイロハを教えてくれたのが251だったから、そこに帰って来てファイナルが出来るって言うのはすごい嬉しいなと思います。
mai:リリース前のワンマンから始まって251に「ただいま!戻ってきました!」って言う形をどうしても作りたかった。11月に251でフロアワンマンやらせてもらった時に、今回ファイナルに出演してくれるKAIMY PLANTSのメンバーが遊びに来てくれて。その時にメンバー全員自分たちの曲大好きでしょって言われた。それがすごく嬉しくて。
野木:5人で円になって周りに360度お客さんを入れて。
mai:お客さんとの距離もすごく近くて。自分達が好きなものをやってそれに共感してくれる人たちを大事にしていきたい。
小濱:自分たちの商品を長く愛せないといつかは終わりが来るっていうか、代替可能になっちゃうんですよね。メンバーそれぞれその人にしか出来ない解釈を持ってるからバンドであってグループであって。それはやっぱり自分たちの商品をどれだけ愛してどれだけ伝える努力が出来るかって言うことをこれからもこの5人で考えて行きたいと思ってるし、そういう意味で言ったら自分たちの楽曲をこんなに愛しているのはこの5人以外いないと思っていて。251で最初にライブをやらせてもらってまた企画が出来て、そういうものも先輩のバンドから教えてもらったと思ってるので、251はそういう場所だと思ってる。

・ツアーファイナルのイベントの内容やコンセプト、意気込み等についてお聞きしていきたいと思いますが。
mai:ファイナルはお祭りみたいにしたくて。出演してもらうバンドさんは、洋楽っぽいバンドって言うのを5人で話してて。KAIMY PLANTSは去年Earls Courtのイベントに出てもらったりライブ見に来てくれたりライブ見に行ったり。初めて見たときに単純に楽曲も好きだったし、話してみたらすごくフレンドリーだった。楽曲は結構影があるんだけど、それこそ金太郎飴なバンドだと思った。
小濱:ハタさんもDJを快く引き受けてくれて嬉しかった。winnieは俺らが251に出始めた頃にライブ見に行って、憧れっていうかこういう人たちと一緒にやりたいなって思って。KAIMYもハタさんもそうだし。目標だった人たちと251で自分たちの冠を持って組めたっていうのは嬉しさもあるし、もちろんプレッシャーもあるし勝ちに行きたいって言う気持ちもある。尊敬してるから一緒にやれること自体が嬉しいんですけど、それだけじゃないって言うことを見に来てくれる人に見て欲しい。
桜井:とにかく楽しくなればいいかなと思ってる。ほんとそれだけ。
mai:ファイナル終わりました、ありがとうございました、じゃなくて、その先のEarls Courtも示せるようにします!
喜田:自分たちが楽しみに出来る良い面子を集められたなと思って。そういう時って絶対良いイベントになるんで。人との繋がりとかもより深めて未来に繋げて行って、今年1年楽しくなるんじゃないかなって思えるようなイベントになると思います。ワクワクしてます。
野木:ここがゴールじゃないから、お客さんの予想を上回る日にしたいなと思ってます。

・最後にファンの皆様やお客さんにメッセージを。
小濱:Earls Courtの作品やライブを楽しみにしてくれてる人たちに思う事は、今回のアルバムで自分達って何なんだろうって言うことをやっと提示できる作品ができたと思ってるし、この先もっとそれが強まっていくと思うのでぜひ期待して欲しい。2/18に来てくれる人には「楽しかったね、またライブ見たい」って思ってもらえるような日にしたいと思ってるので、何卒よろしくお願いします!ぜひ遊びに来てください!

・ありがとうございました!

インタビュアー:石井由紀子(F.M.F)



Earls Court (アールズコート)

PROFILE:
メンバー:喜田康二郎(Vo) 小濱純(G) 野木一暢(G) サクライショウタ(Ba) 小池麻衣-maimai-(Dr)
紅一点のDrを含む5人組ロックバンド。バンド名の由来は、ロンドンの地下鉄の駅名から。 その名の通り、UKロック、アイリッシュ、オリエンタルなど、 かき鳴らされる音は多国籍。その上で圧倒的な雰囲気を放ちながら絶対的に君臨するボーカルは、日本語を巧みに融合させる。1 度見聴きすれば、そこにはEarls Courtというひとつの像しかない。そして、それは曲ごとに姿を変える。次に何が飛び出すのか常に思いを馳せてしまうワールドワイドなバンド。

LIVE:
‪2018/02/18(日)‪
東京・下北沢CLUB251‬‬
“Earls Court「Do! Darling! Do!」Release Tour Final”

出演:winnie, KAIMY PLANTS, Earls Court DJ:ハタユウスケ(cruyff in the bedroom)
開場‪18:30/開演‪19:00前売¥2500/当日¥3000(+1D¥500)
TICKET:Livepocket・e+(11/25~)

Earls Court 4th mini album
『Do! Darling! Do!』
ECTR1208 / ¥1,800(税別) 〔District Line Records〕
9月6日(水)全国発売
1. Do.Da.Di. 2. Hard to breathe 3. Sunday morning flight 4. Give you all of me 5. Just one day 6. Alone

TOWER RECORDS ONLINE
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Earls Courtオフィシャルサイト

CLUB251 OFFICIAL WEB SITE

 
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